報告:2010新潟ロービジョン研究会
安藤@済生会新潟です。
「新潟ロービジョン研究会2010」(7月17日)の報告です。
今年のテーマは、「『見えない』を『見える』に」でした。眼の疾病を治療して視機能を改善するのは、眼科の仕事です。しかし、眼科でもはや治療できないと言われた多くの人が、社会で活躍しています。眼科だけではなく多くの分野の方々との関わりにより、視覚に障がいを持つ人が、自立し社会で活動することを可能としているのです。
今回は、「『見えない』を『見える』に」するために全国的に活躍している医療関係者と当事者、教育・福祉の方々に集まって頂き、可能性と現在での問題点について語って頂きました。「自分に何が出来るのだろうか」が、問われた研究会だったと思います。
全国21都府県から140名を超える方が参加し、会場は熱気に溢れました。
地域別にみると、新潟県内から92名(うち新潟市80名)、新潟県外から50名(東京都14名、三重県4名、埼玉県4名、兵庫県3名、福島県3名、山形県3名、高知県2名、長野県2名、栃木県2名、長崎県、大阪府、京都府、岐阜県、愛知県、静岡県、石川県、富山県、千葉県、宮城県、青森県)。
職種別では、医療関係者(医師・視能訓練士・看護師など):52名、当事者・家族・ボランティア:45名、その他(教育・福祉・医療関係・市民・学生):45名。
多くの収穫と、出会いがありました。 ここに報告致します。
テーマ:「『見えない』を『見える』に」
日時:平成22年7月17日(土)
開場:13時30分 開始:14時00分 〜 終了18時20分
場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
会費:無料 要、事前登録
13時30分 開場 機器展示
14時00分 研究会開会
特別講演 「障がい者が支援機器を活用できる社会に」
座長:安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院眼科)
演者:林 豊彦 (新潟大学工学部福祉人間工学科・教授)
「前進する網膜変性の治療」
座長:加藤 聡 (東京大学眼科)
演者:山本 修一 (千葉大学大学院医学研究院眼科学教授/日本網膜色素変性症協会副会長)
「ロービジョンで見えるようになる」
座長:張替 涼子 (新潟大学眼科)
演者:小田 浩一 (東京女子大学人間科学科教授)
16時25分 コーヒーブレイク 機器展示
16時50分 シンポジウム 「『見えない』を『見える』に」
18時20分 研究会終了
18時20分から18時35分 参加者全員でフリートーキング & 機器展示
18時35分から18時50分 参加者全員で会場後片付け
機器展示
タイムズコーポレーション、東海光学株式会社、アットイーズ、インサイト、エッシェンバッハ光学ジャパン、新潟眼鏡院
特別講演 講演要約
「障がい者が支援機器を活用できる社会に」
林 豊彦 新潟大学 自然科学系 教授
工学部福祉人間工学科/大学院自然科学研究科・電気情報工学専攻
新潟市障がい者ITサポートセンター長
視覚障がい者であってもパソコンを使用し、テキストデータであれば文字を音声化ソフトで読むことができる。携帯電話を使用すれば、インターネット接続によって文字・画像を送ることができる。
電子情報通信技術は、障がい者の「不可能」を「可能」に変えてしまった。機器・システムという環境要因の変化によって、障がい者の「参加」と「活動」を大きく拡大できるようになった。あとは、使うべき人が使えるようになることと、どう利用するかである。
支援技術とは何か?
疾病や事故で心身の機能が損なわれると、社会への「参加」や「活動」に制限が加わる。しかし、それを補う機器・システムを利用すれば、その制限をなくしたり、軽減したりすることができる。義肢や車いすはその典型だ。障がい者のリハビリテーションを支援する技術分野を「リハビリテーション工学」という。高齢者は必ずしも障がい者ではないため、心身機能が単に低下した人の支援は含まない。そこでより広い意味をもつ「支援技術」(assistive technology)という用語が使われるようになった。機器からサービスまで含む広汎な概念である。支援機器の使用で大切な点は、「残存する身体機能をうまく利用して、機器・システム・環境にアクセスできるようにすること」であり、人との接点である「ヒューマンインタフェース」の選択と適合がポイントとなる。
支援機器に関するアンケート調査
2008年10月に、障がい者支援を目的として「新潟市障がい者ITサポートセンター」を開設した。新潟市内の障がい者を対象として、現状とニーズの調査を実施し、約800票の有効回答を得た。驚いた。障がい者は、自立・生活・就労に有効な支援機器をほとんど知らない。視覚障がい者では、拡大読書機を80%が、スクリーンリーダーを92%が知らない。支援機器を知らないのだから、それを利用したいという社会的ニーズは存在しない。知られていなければサポート体制をいくら充実しても、利用してくれる人は限られる。一時期、障がい者ITサポートセンターは、国の支援によって全国各地に誕生したが、しだいに閉鎖された。理由がわかった。ニーズがない訳ではない、知られていないだけなのだ。「ニーズの顕在化、および顕在化後の広汎なサポート体制の確立」、これが障がい者ITサポートセンターの課題だ。
新潟市障がい者ITサポートセンター
当センターは、新潟大学自然科学系附置・人間支援科学教育研究センターが新潟市から受託した。職員は、兼任のセンター長である私、専任の支援員、非常勤事務員の3人のみ。関連機関との連携が必要であるため、協力関係にあった新潟県障がい者リハビリテーションセンター、新潟県難病相談支援センター、新潟市視覚障がい者福祉協会の代表に、運営委員として参加頂いた。外部から活動を評価いただくために、新潟県立高等養護学校、日本ALS協会新潟県支部、新潟市ろうあ協会、自立生活センター新潟などの代表に、評価委員を委嘱した。
事業は「支援環境整備事業」と「支援事業」だ。支援環境整備事業では、「支援機器が知られていない、使われていない」という事実から、障がい者が必ず通過する「病院」と「学校」にターゲットを絞り、積極的に介入した。教師、リハスタッフ(OT、PT、ST、医療SWなど)、保護者、地域のボランティアを対象として、月1回以上のペースで説明会・研修会・体験会を続けた。いわば合法的な「押し売り」だ。その甲斐あって、2007年4月には13件しかなかった相談件数は増加し、現在では、50件前後で推移している。さらに、16の組織・機関との協力体制も確立できた。
関連機関との協力体制は、IT サポートセンターの課題のひとつ「ニーズ顕在化後における広汎なサポート体制の確立」に多くの示唆を与えてくれた。センター職員3人では、広汎なサポートなど不可能だ。解決策は、センター機能の分散化および支援の階層化だ。病院のリハスタッフや教員の一部に支援技術に関する基本的な知識・技能を身につけてもらえれば、簡単なケースは学校や病院の現場で解決することができる。難しいケースだけ、サポートセンターと恊働で対応すればよい。
もうひとつは、専門家集団によるチームアプローチの有効性だ。病院では、リハスタッフ、医療SWとの連携が不可欠だ。単に医療リハビリの質向上だけでなく、退院後におけるQOL向上にもつながる。支援技術には、医療と社会福祉とのインタフェースとして機能があることがわかった。特別支援教育でも、教師、保護者、リハスタッフとの恊働が不可欠だった。多くのケースで、当センターはコーディネーター役も果たした。ITサポートセンターといえば、PCを中心とする情報通信機器や支援機器の選択・適合、それにPC教室を思い浮かべるかもしれない。しかし実際に始めてみると、学校でも病院でも、他の専門職と恊働しながら「利用者にとって最良の支援とは何か」という本質的な課題に取り組むことになる。
これこそが、障がい者ITサポートセンターの本当の仕事であると信じる。
略歴
1979年 新潟大学大学院工学研究科修士課程修了,新潟大学歯学部・助手
1986年 歯学博士(新大歯博第50号)(新潟大学)
1987年 新潟大学歯学部附属病院・講師
1989年 工学博士(工第1613号)(東京工業大学)
1991年 新潟大学工学部情報工学科・助教授
1996年 米国Johns Hopkins大学客員研究員
1998年 新潟大学工学部福祉人間工学科・教授
2008年 新潟市障がい者ITサポートセンター長(兼任)
「前進する網膜変性の治療」
山本 修一 千葉大学大学院医学研究院眼科学教授
日本網膜色素変性症協会副会長
網膜色素変性を代表とする網膜変性疾患は、長らく「不治の病」とされてきたが、最近の研究の急速な進歩により、臨床応用間近になりつつある。
1.網膜色素変性治療の方向性
1)遺伝子治療:遺伝子異常によって生じる網膜色素変性では、本質的治療と考えられるが、既知の遺伝子異常が少ない。また発症初期に治療を開始する必要がある。
2)神経保護:網膜色素変性の本質的治療ではないが、視機能の延命が目的。
3)人工網膜:視細胞が消滅した場合には、人工網膜か網膜移植が適応となる。
4)網膜再生・移植:網膜の再構築が最終目的であるが、まだ道は遠い。
2.レーベル先天盲における遺伝子治療
1)レーベル先天盲はRPE65遺伝子の欠損が原因であり、幼少期から重度の視力障害、眼振を生じる。
イヌの実験モデルを対象に、アデノウイルスに正常遺伝子を結合させ網膜下に注入したところ視機能の改善がみられた。
2)初期の第1相臨床試験は米英の施設で、年齢の高い症例を対象に、安全性確認のために行われた。
硝子体手術を行い、ウイルスベクターを網膜下に注入した。黄斑円孔などの手術関連合併症はあるが、ウイルス関連の合併症はみられなかった。視力、網膜感度、薄暮下での行動改善が得られ、この結果は米国の3大ネットワークや英国BBCのニュースで大々的に報じられた。
3)現在は第2相臨床試験が米英の施設で31例に施行中で、最長2.5年の経過観察が行われている。全例で視機能の改善がみられ、視野の拡大、ウイルス注入部分の網膜感度の改善、補助具なしで字を読む、すたすた歩く、などの効果が得られている。
4)遺伝子治療の展望:遺伝子治療を行うには、原因遺伝子の特定が必須である。また視機能の改善を得るには、比較的発症早期に治療に取りかかる必要がある。また優性遺伝では、異常遺伝子の働きを停止させる必要があり、干渉RNAによる臨床試験が計画されている。
3.毛様体神経栄養因子による神経保護
1)毛様体神経栄養因子(CNTF)は13種類の網膜変性モデルマウスで網膜保護効果が得られており、原因となる遺伝子異常に無関係に保護効果を示す。CNTFを作るように遺伝子操作したヒトの網膜色素上皮細胞を特殊なカプセルに入れ、このカプセルを眼内に埋植する。カプセルからはCNFTだけが放出され、細胞に対する免疫反応も起こらない。
2)安全性を確認するための第1相臨床試験は、10名の網膜色素変性を対象に6ヶ月間行われた。合併症はみられず、視機能が改善する症例もみられた。
3)現在は第2相試験が133例の網膜色素変性を対象に米国と欧州で進行中。視力、視野、網膜電図
(ERG)などの視機能の改善はみられていないが、OCTで視細胞核厚の増加や、AO-SLOで錐体密度の減少の抑制がみられている。萎縮型加齢黄斑変性に対する臨床試験も並行して行われており、視力の維持や網膜厚の増加が観察されている。
4.ウノプロストン点眼による神経保護
1)0.12%ウノプロストンはすでに緑内障点眼薬として長い歴史があり、ヒトで点眼によりエンドセリン1の抑制を介して、脈絡膜血流を増やす。ラット光障害モデルでは、硝子体内投与で視細胞の変性が抑制される。
2)千葉大で30名の網膜色素変性患者を対象に予備試験施行。半年間点眼により、平均視力は若干低下したが、中心部の網膜感度は有意に上昇した。
3)千葉大でのパイロットスタディの結果を受けて、0.15%オキュセバ点眼の無作為二重盲検試験を全国6施設で109名が参加して施行された。プラセボ、一回1滴点眼、一回2滴点眼の3群に無作為に分割。網膜感度の悪化は、プラセボ群21.2%に対し、2滴群は2.6%で有意に抑制された。この他に、視覚関連QOLの有意な改善もみられた。今後は早期の承認を目指す。
略歴
1983年 千葉大学医学部卒業
1989年 富山医科薬科大学眼科講師
1990年 米国コロンビア大学眼研究所研究員
1994年 富山医科薬科大学眼科助教授
1997年 東邦大学佐倉病院眼科助教授
2001年 東邦大学佐倉病院眼科教授
2003年 千葉大学大学院医学研究院眼科学教授
2007年 千葉大学病院副病院長、日本網膜色素変性症協会副会長
「ロービジョンで見えるようになる」
小田 浩一 東京女子大学人間科学科教授
昨年2009年の日本眼科医会では、ロービジョンの人口は144万人、視覚障害全体で164万人、その経済損失効果は年間約9兆円にもなり、ロービジョンが社会に与えるインパクトは小さくないという報告がなされた。ロービジョンが社会に与えるインパクトが小さくないわりには、ロービジョンという問題はあまり知られていない。一般の人がロービジョンという概念を受け入れるのに時間がかかっているのにはいろいろな理由があるだろうが、キラーアプリがないこと、これという核になる売りがないからではないのだろうか。
ロービジョンという言葉は、見えないことの代名詞であり、障害者というレッテルを貼られることを意味し、持ちたくもない白杖をもたされることを意味している。一般の人から見れば、視覚障害福祉といえば点字の情報サービスや、点字ブロックなどの誘導サービスということになるだろうが、多くのロービジョンの人からすれば点字も点字ブロックもあまり有効なサービスとは言えない。ロービジョン外来に行ったところで、虫眼鏡や安い便利グッズを紹介されて、好きなものを貸出してくれるだけで、見えるようになるわけでもないということになっていないだろうか。虫眼鏡なら文房具屋でも売っているし、100円ショップで便利グッズを探す事ができる。高度な他の眼科医療サービスと比べて、ロービジョン(ケア)は非常に素人っぽい、専門性の低いサービスとして患者の目には映るはずである。こういう状態ではロービジョン(外来)にまた行こうとは思わないし、たいしたサービスも恩恵もないのに障害者のラベルを貼られるのは御免だと思うのはごく自然なことと思われる。
では、これまで眼科の治療でも見えるようにはならなかったのが、眼科でロービジョン(ケア)というのをしてもらうと見えるようになるらしいよということになればどうだろうか?眼科に来る患者さんは、自分の目の視力がどのくらいだとか、視野がどれくらいだとかは知らないけれど、たいてい何か大事なものが読めなくて困難を経験している。それが患者にとっての「見えない」ということの意味である。眼科医療では、視力がいくつで治療できない病気の状態だという専門的な診断で終わってしまうような場合もあるだろう。言い換えれば、これまでの眼科の治療では「見えない」ままだということになる。一方、ロービジョンの専門家は、多くの場合、拡大鏡1つきっちり処方すれば患者さんは読めるようになることを知っている。きっちりした処方とは、多種多様な虫眼鏡を紹介することとは違う。読めるようになる適切な拡大鏡はこれだとフィッティングするのである。眼鏡処方と良く似ている(ロービジョンの眼鏡処方も通常の場合とは異なり専門性が必要になる。なぜなら、患者はもともと視力が低かったり使える視野が狭かったりして、自覚的に良く見える方を応えるのが困難だからである)。
ロービジョン(ケア)で読めない困難が解消すれば、患者からすれば「見える」ようになったということになる。これまでの医療では視力が低いままで病気が治らなくても、ロービジョン(ケア)という新しい医療では患者が「見える」ようになって帰って行く。これは、一般人の言葉では治る、見えるようになるということだろう。屈折異常は治療しないで眼鏡で見えるようにするというのと基本的に同じ発想だ。
実際には視力があがるわけでもないが、患者さんには眼鏡で0.01から1.0に見えるようになったという印象を与えている。もちろん、それだけですまない人もあり、さまざまなサービスや他の補助具への橋渡しも非常に重要だが、コアになるポジティヴな概念=「ロービジョンで見えるようになる」ことが重要であるように思える。
略歴
1984年 東京大学大学院人文科学研究科・博士課程(実験心理学)中退
1984年 国立特殊教育総合研究所・視覚障害教育研究部・研究員
1987年 NYU心理学部へ在外研究員
1992年 東京女子大学・コミュニケーション学科・専任講師
1994年 同助教授
2001年 同教授
シンポジウム 「『見えない』を『見える』に」
司会:加藤 聡 (東京大学眼科)
張替 涼子 (新潟大学眼科)
安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院眼科)
コメンテーター:山本 修一 (千葉大学大学院医学研究院眼科学教授)
林 豊彦 (新潟大学工学部福祉人間工学科・教授)
小田 浩一 (東京女子大学人間科学科教授)
稲垣 吉彦 (有限会社アットイーズ 取締役社長)
「見えないってどんなこと?」
永井 和子 (視覚障害生活訓練等指導員;長崎こども・女性・障害者支援センター)
「見えなくてもできる」
田中 宏幸 (教諭;新潟県立新潟盲学校)
「見える喜び・できる喜び〜教育の立場から〜」
柳澤 美衣子 (視能訓練士;東京大学医学部付属病院眼科)
「視野評価とロービジョンケア」
仲泊 聡 (眼科医;国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部長)
「とっても眩しいんです」
「見えないってどんなこと?」
稲垣 吉彦 有限会社アットイーズ 取締役社長
私が以前のように見えるようにはならない現実を知ってから今年でちょうど15年が過ぎました。この間、仕事を失い、家庭を失い、再度大学生活を経験し、再婚、再就職、独立起業と周りの環境はめまぐるしく変化しました。そして現在はパソコンをはじめとする視覚障害補償機器の販売とサポートを業務とする会社を経営する傍ら、医療機関や福祉施設からのご紹介を受け、ボランティアでいわゆるピアカウンセリングを行っています。
今回はその事例を2つほど挙げ、見えないってどんなことなのかを考えてみたいと思います。
(事例1) 30代前半女性(ぶどう膜炎患者)
4年ほど前拙著「見えなくなってはじめに読む本」を読んだという、50代中盤のお母様から「自分の娘もぶどう膜炎で、完治する見込はないと医者に言われている。娘がかわいそう
なので、これから娘を殺して自分も死ぬ。」という内容の電話を受ける。約3時間の電話カウンセリングを行い、私自身がお世話になっていた眼科医を紹介し、最悪の事態は回避した。毎年この時期になると、近況報告のお手紙をいただき、母娘ともに良好な関係を保ちながら、人生を楽しんでいる様子がうかがえる。
(事例2)
弊社の業務の一環として、就労継続支援を行う中で、様々な企業の人事担当者、役員など37名に対して「もし今あなたが見えなくなったら何ができると思います」という質問をした結果、28名については「書類を見ることができない。」「通勤自体ができない。」「コピーがとれない。」などできることではなく、できないことをその質問に対する回答とした。
上記2つの事例に共通することは、見えなくてできないことは想像しやすいが、見えなくてもできることはなかなか思い浮かばず、考えれば考えるほど負のスパイラルに陥るということなのではないかと思います。ではなぜこのようにマイナスのイメージしか思い浮かばないのか?様々な要因が考えられると思いますが、私は見えないことに関する情報不足や知識不足に起因する部分が大きいのではないかと思います。
見えないことは決して何もできないこととは違います。長い人生のある時期に、たまたま科せられた現実でしかありません。見えていても、見えなくても一度きりの人生です。見えない人生のひとときをただ単に悲観して過ごすのではなく、希望を失わず、自信と誇りを持って、ともに力強く生き抜きましょう。
略歴
1988年 明治大学政治経済学部経済学科卒業、株式会社京葉銀行入行
1994年 ぶどう膜炎(原田氏病)および続発性緑内障発症
1996年 視覚障害のため同行退職、筑波技術短期大学情報処理学科入学
1999年 株式会社ラビット入社
2006年 有限会社アットイーズ設立
2009年 視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」ポータルサイトプロジェクト委員
2010年 筑波技術大学 保健科学部情報システム学科 非常勤講師
「見えなくても出来る」
永井 和子 視覚障害生活訓練等指導員;長崎こども・女性・障害者支援センター
「見えなくても出来る」ということを、相談に来られた方やそのご家族、その他より多くの方々に理解して頂くことが、私たちの仕事であると日頃から思っております。人生の途中で目が不自由になった方は、日常生活をスムーズにする為に、かなりの努力をされます。しかしご本人の努力だけでは難しいところがあります。周囲の方の理解が必要です。私はご本人に始めてお会いした時、いかに保有感覚を使うかというお話をします。でもただ話しただけではどなたも納得しません。実感して頂くことが一番良いようです。
入院中の男性です。「何かご不自由はないですか?」と尋ねたら、「みなさん良くしてくれるので何もありません。でも入院してから10個の湯呑みを割りました。湯呑みは買い換えればよいのですが、忙しい看護師さんに申し訳なくて」とおっしゃいました。そこで机上探索方法をお知らせしました。一ヶ月後「あれから一個も湯呑みを割ってません。ありがとうございました」 そして、「玄関まで行きたいのですが・・・」とおっしゃいました。私は心の中で「ヤッター」と叫びました。玄関で目にしたパンジーの花に私は「うわー、きれい」と思わず声が出ました。その方の手を花に誘導すると、その指先はひとひらひとひら花びらを触れていきました。「この花の色は?」「黄色です」「この花は?」「紫です」「思い出しますねー、きれいですねー」と言われました。まさに「見えない」から「見える」への瞬間でした。その後は順調に進みました。
次は盲ろうの方です。弱視難聴の方です。白杖はまだ必要ないと思っている方で、訓練の時間はお話をして過ごしていました。ある日その方から言われ、屋内の階段から自動ドアがある玄関まで歩きました。
数回そのルートを歩いた後のことです。「空気で分かるんですね、外に出たことが」と言われました。そして、「嬉しい、自分で分かったことが嬉しい」と。これもまた「見えない」から「見える」への瞬間でした。この時私は思いました。「歩行訓練士は喋りすぎないこと」自ら感じることの尊さ。この喜びは彼女の大いなる次へのステップになることでしょう。
また研修会の時は周囲の方の理解を深めて頂くために、紙幣弁別封筒をお渡しし体験して頂きました。
「見えなくても出来る」ということを理解して頂けたと思います。
略歴
1951年 長崎市に生まれる。
1971年 長崎県立保育短期大学校卒業
1984年 長崎県立啓明寮勤務
厚生省委託歩行指導者養成課程修了
1998年 厚生省委託リハビリテーション指導者養成課程修了
2004年 厚生省委託視覚障害生活訓練等指導者養成課程2年生修了
2007年 長崎こども・女性・障害者支援センター勤務 現在に至る
「見える喜び・できる喜び〜教育の立場から〜」
田中 宏幸 新潟県立新潟盲学校教諭
「見る」という働きは視覚を通じてのものだけなのだろうか、視覚以外の感覚に頼る幼児児童生徒は「見えない=できない」のだろうかという疑問があるとしたら、答えは間違いなく「No」です。新潟盲学校に勤務していて、実際、点字を使用している当校の幼児児童生徒は他の感覚を上手に使って、十分「見て」います。このようなことから、「見る」「見える」というのは「わかる」「できる」ということばに置き換えて考える必要があるのではないかと考えています。
実際、見えづらさから漢字の学習を苦手としていて、漢字学習に消極的な生徒がいました。「自信を持ってほしい」と願い、そのためには成功体験を積むことが必要だろうと考え、漢字検定の受検・合格を目指して、取り組みました。また、教科書の音読についても拡大読書器を継続的に使用して音読練習に取り組んだ結果、最初は1分間に40字程度の速度でしたが、1年間経つ頃には1分間に200字程度読むことができるようになりました。また、将来一人でいろいろなところに出かけ、自立した生活を送りたいという強い希望を持っている生徒にATMの活用・切符購入・身辺整理(掃除機・ほうき・ちりとり)・援助依頼(コンビニ・駅)・単独帰省など、家庭からのご協力をいただきながら意図的・系統的に進めていきました。
当時を思い返しつつ、現在感じていることとして「いろいろなことに対して最初はうまくできるか不安だったが、回を重ねるごとになれてきた。何とかできるんじゃないかという気がしてきた。ATMの活用は今でも継続しているので自信がある。援助依頼についてはその必要性は十分理解しているが、自分の意志を伝えるのはまだ難しい。」と感想を述べています。
「見える喜び・できる喜び」のためには、適切な支援(専門機関との連携)、本人の「できるようになりたい」「やってみたい」という意欲、そして保護者とのよりよい連携が必要なのではないかと考えています。
経歴
1991年 日本大学文理学部 教育学科 卒業
1991年〜 県内中学校 勤務
2003年 上越教育大学大学院 臨床心理分野 修了
2003年〜 新潟県立新潟盲学校 勤務
「視野評価とロービジョンケア」
柳澤 美衣子 東京大学医学部付属病院眼科 視能訓練士
視野は網膜全体の機能を反映するだけでなく、網膜の情報を脳に伝える視神経および脳の視覚中枢の機能にも関係している。そのため、視野障害の程度はどの部位が、どの程度障害されたかなどによって異なる。
実際に視野障害といっても求心性視野狭窄、中心暗点、輪状暗点など様々な形、広さがあり、保有視野の位置も異なるので視野障害者における見え方や日常体験する困難な行動は一人一人異なる。視野障害のために、生活に不自由が生じているにもかかわらず、自分の眼は「どのように見えているのか」という「見え方」、「どのようにしたら見えるのか」という「見かた」をしっかりわかっている人は少ないように感じる。
視野障害者が自分の「見え方」を理解する、つまり自分の視野の状態を正しく、自分の行動の困難の問題と関係づけて考えられるかが重要である。保有視野を効率的に利用するための「見かた」を習得することが今回のテーマである「見えない」を「見える」に変える一歩だと考えた。視野障害者に自分自身の見え方、見かたを理解して頂くためには日常生活空間での実際の見え方を具体的に説明し、実際の見え方を体験して頂き納得してもらう必要がある。そのためには、まず保有視野の活用に重要な「距離と見え方の関係」について理解しておく必要がある。
今回は代表的な視野障害である求心性視野狭窄、中心暗点の距離と見え方について述べた。視野狭窄の場合、見える範囲の面積だけを考えると距離が遠くなるほど見える範囲は大きくなる。しかし、遠方では見る対象物自体が小さく網膜に投影されることになり、対象物を判断するには、「眼の高い解像度」が要求される。近くになるほど見える範囲が狭くなるので、近くのものは視界からはみだしてわかりにくく、そのため「近くのものにぶつかる」ことが多くなる。また中心暗点の方は、同じ対象物を見ている場合、見る距離が遠くなるほど暗点で隠れる範囲が大きくなるので、遠くにあるものは気づきにくくなる。同じ対象物を見る場合は、近づいて見た方が、対象物に対して暗点で隠れる割合が少なくなる、つまり暗点の影響が小さくなる。さらに中心暗点をもつ視野障害者の「見かた」である偏心視の簡単な評価法と訓練法について述べた。
視野障害者が自分自身の見え方を理解することは、どこを見れば眼を最大限活用できるのかという「見かた」を習得することにもつながり、さらには自分自身の視野を理解した方は、周囲に自分の見え方を伝えることができるようになり、視野障害を理解してもらえることで、助けてもらえることも自然と増えるのではないかと思われる。
略歴
2004年 大阪医療福祉専門学校 視能訓練士学科 昼間部 卒業
2004年〜東京大学医学部付属病院 眼科 勤務
2007年 北里大学大学院医療系研究科臨床医科学群眼科学 博士課程 入学
2010年 〃 博士課程修了
医学博士 学位取得
「とっても眩しいんです」
仲泊 聡 国立障害者リハビリテーションセンター病院 第二診療部部長
ロービジョンの患者さんには、普通の明るさであるにもかかわらず、とっても眩しがり、あまりに眩しくて目を開けていられないというほどの人もいる。ところが、この「まぶしい」という感覚のメカニズムは未だに解明されていない。そこで、最近出会ったとくに眩しがった患者さん3名の症例報告を行い、羞明のメカニズムについて考察する。
症例1:54歳女性、網膜色素変性症。視力は両眼手動弁。オレンジ系の遮光眼鏡を好む。
視神経乳頭の色は悪くなく、OCT(光干渉断層像)でも神経線維層の厚みは保たれていた。
症例2:38歳男性、糖尿病網膜症。視力は右0.02(n.c.)、左光覚無し。レーザー治療・硝子体手術後。
羞明に対し、現在、遮光眼鏡CCP400TR/TS(透過率20%-91%のグラデーション)を試用中。
この症例の視神経乳頭も視力低下のわりに萎縮が目立っていなかった。
症例3:19歳女性、緑内障。視力は右0.01(0.2)、左0.01(0.02)。遮光眼鏡CCP400FR(22%)を常用。
緑内障としては視神経乳頭の陥凹はほとんどなく、OCTでの神経線維層厚はむしろ健常者より厚いくらい。この患者は驚いたことにFRだけでなく、550nm以上をカットするブルーフィルタでも羞明が軽減するという。
眼疾患がもとで視細胞の変性が生じると神経節細胞への入力が減る。この結果、もしかすると神経節細胞に脱神経過敏’※1)が起きているのかもしれない。S錐体や杆体が変性するとBistratified神経節細胞(※2)にそのような変化が生じるかもしれない。仮にそうなら、このメカニズムで生じる羞明には青い色をカットするフィルタが有効かもしれない。症例1では、網膜色素変性症の発生過程から充分その可能性が考えられる。症例2においても、レーザー治療後に羞明が生じているので同様だ。しかし、症例3では、むしろM, L-錐体の最大吸光度に当たる530-570nm付近の光(FRとブルーフィルタの共通部分)を充分に遮光するフィルタが有効で、前二者とは異なるメカニズムの存在が示唆された。症例3は、主症状に不眠や頭痛があり、ipRGC(※3)の障害(または過敏)ではないかと考え、精査中だが、その決定的証拠はまだ得られていない。
羞明の発生にはおそらく複数の原因といくつかの発生メカニズムが関与していると考えられるが、その実態は全くつかめていない。今回のような強度の羞明をきたした症例の詳細をさらに検討することでその原因、発生メカニズムを突き止めることができるかもしれない。
発表の最後に平成22年4月から変更になった視覚障害者用補装具としての遮光眼鏡の支給対象者要件について紹介した。
※1 脱神経過敏 入力がなくなった神経細胞は、時間とともに僅かな入力にも反応するようになるという神経細胞の一般的な特性のこと
※2 Bistratified神経節細胞 S-錐体系の信号を運ぶ神経節細胞のこと。S-錐体と杆体から促進性の、M, L-錐体から抑制性の信号を受ける。色の信号を処理する神経細胞としてはその守備範囲(受容野)は大きい。
※3 ipRGC 概日リズムや明所視での縮瞳の持続に関連し、いわゆる「見る」ため以外の視覚情報を伝えていると考えられている、最近発見され注目されている神経節細胞である。S-錐体から抑制性の、M,L-錐体から促進性の信号を受け、自ら485nm付近をピークとする波長帯を感受するメラノプシンと言う視物質を有している。
略歴
1983年3月 学習院大学文学部心理学科卒業
1989年3月 東京慈恵会医科大学医学部卒業
1995年7月 神奈川リハビリテーション病院眼科
2004年1月 Stanford大学留学
2007年1月 東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授
2008年2月 国立身体障害者リハビリテーションセン ター病院 第三機能回復訓練部部長
2010年4月 国立障害者リハビリテーションセンター病院 第二診療部部長
参加者の感想
国立病院視能訓練士 埼玉県
今回のテーマ「『見えない』を『見える』に」は、字義通りの視機能の面からの意味と、もう一つの意味が含まれていたように思います。それは、フロアから発言された方の「見えなくなったけれど、先の見通しが立った」という言葉に象徴されていると思います。私達の仕事は、その双方をサポートすることなのだと改めて感じました。
視能訓練士 山形県
この度は研究会に参加させていただきありがとうございました。
教育や福祉関係の先生方のお話しはとても新鮮で刺激を受けました。網膜変性の治療については、現在自分が携わっている患者さんから相談を受けていた内容でしたので、ここまでの経過(成果)と今後の展望を聞くことが出来て、とても参考になりました。またシンポジウムは、各分野の先生方の体験談をお聞きして、貴重な時間を過ごさせていただきました。最後に安藤先生がまとめられた「苦しみを共有、共感しなくてならない」という言葉が僕の中に強烈に残っています。
研究会に参加させていただいたことで、最新の情報が得られましたし、専門の先生方との交流ができたことが、今後ケアを行っていく上で大きな収穫となりました。
眼科医 新潟市
今回も充実した研究会でした。どの方の講演も勉強になりました。地元勢の林先生、田中先生のお話をお聞きしてこうした熱意ある先生方と眼科はどんどん連携していくべきだとあらためて思いました。山本先生のお話をお聞きし、ウノプロストンの保険認可について予想外に短い期間に射程を定めておられることに驚くと同時に頼もしく思いました。 永井さんのお話も印象的でした。
近年、プログラムが充実しすぎて講演や質疑が十分できないことも多かったですが、今回は丁度良かったように思いました。 来年もまた勉強させてください。宜しくお願い致します。
当事者 新潟市
最近中途視覚障害になったばかりの友人を伴って参加しました。数年前に退職し、年金生活の一人暮らしの女性ですが、今後の生活に非常に不安を感じていましたが、研究会に参加して少し元気をもらったとの事でした。しかし、人生の後半で障害を持って一人で生きて行く事は本当に不安な事なんだと思い知らされています。ひとつひとつの心配や不安を、どう解決したら良いのか?何処の誰に相談したら良いのか?全く手探りで、たまたま知り合いだったので研究会に誘う事も出来ましたし、問題解決の相談に乗る事も出来ますが、多くの中途障害の方々は情報も無く途方にくれているものと思います。行政や臨床など、様々な分野での広いネットワークを作る事と、知らせる手段が必要と思いました。
今回、沢山の方々が参加したことに驚きましたが、それだけニーズがある事、それを上回る知らないで閉じこもっている人がいるであろう事を危惧しながら、このような輪が草の根のようにしっかり広く根付く事を期待します。まずは、眼が不自由である事を自ら受け入れ、他に知らせ、支援をし合える環境が必要と思います。次に自身の生活が成り立つようなツールの情報や、行政の制度を知る機会も整備してほしい事だと思いました。
視力を失う事は、非常に多くの情報源を失う事ですので、医療機関や行政サイドから積極的な情報提供をしていただかないと、自分がどのように自立していったら良いのか、すべが無いというのが実情ではないでしょうか?患者家族として、過去の経験からもそのように思います。
社会福祉関係 仙台市
ロービジョン、すなわち慢性の身体機能低下を持つ人への支援には医療の専門職も必要だし、生活や教育など多様な職種のスタッフも必要だし、当事者経験を持つ人が先輩(お手本)の1人としてかかわることも必要だということを示しているプログラムであり、内容だったように思います。治療の分野でも視機能評価の方法でも、年々新しい知見や提案がなされていますし、ICT関連でも性能や技術の変化がどんどん進んでいます。そのためにも支援にかかわる人が、「現在自分が持っている知識や経験」に満足することなく、情報を得ていくことが大事だと改めて痛感しました。ほかの方の実践を聞いて「そのやり方、使わせてもらおう!!」と思う人がどんどん広がると、お互いのいいとこ取りが少しずつ広がるんだろうなと思います。そんな思いを共有している人たちが「呼んでもいないのに遠くから来る」ということになるんでしょうね。
(当たり前のことですが)ロービジョンケア、ロービジョンサポートは、その患者(患児)一人ひとりにとって必要なことは何か、どういう支援や働きかけをしたら生活機能の維持、向上に結びつくのかに始まり、終わるのだと思います。そのために考えないといけないことはまだまだたくさんあるように思います。ただ、やみくもに慌てても仕方がない……。でも、少しずつでもいいからやっていくことが必要。ということで、今後ともご指導、ご助言、いいとこ取り、よろしくお願いいたします。
新潟大学 工学部教員
山本先生のご講演は、自分が普段読む学術雑誌では知り得ない大変貴重なお話でした。新聞・雑誌・ニュースが伝えるよりも新しい情報を、新聞・雑誌・ニュースよりも詳しく知ることができました。医学系の専門雑誌や学術講演よりも一般向けに分かりやすく話してくださいました。講演会という限られた場所ゆえに、患者の方の話や臨床試験へのお考えを本音でお話下さいました。
昨年度の高橋政代先生のお話といい、治療の最前線に関する興味深いお話を、こんなに手軽に聞くことができることに対して、改めて感謝いたします。
機器開発メーカー
当日は、妻の誕生日でした。この数年はプレゼントもパスしてしまうこともありましたが、今年はこの「新潟ロービジョン研究会2010」に参加したくて、1週間前にはプレゼントを渡し、駆けつけました。
講演いただいた方々のお話は、大変勉強になりました。そして、日頃の活動の方向性を確認することになりました。また、アプローチはそれぞれですが、同じ目的をむけて活動されている方々と歓談することができ。私にとっては年に1度の得がたい時間でした。ありがとうございました。
妻の機嫌も、まずまずで、ひと安心です。
製薬メーカー
視野や視力が不自由であっても、何事もなかったように振る舞う様子・強靭な精神力をお持ち
の方がほとんどだということに改めて驚愕しました。そのようになるまでに紆余曲折あったと思いますが、生き抜く力の強さを実感させられる研究会だったと思います。
自分が生きているうちにできることは何なのか、深く考えさせられる研究会であったと思います。
視能訓練士 東京
貴重な経験をさせていただきました。
大きな大学病院に勤務していると患者様側の声を聞く機会がない上、なかなか反省する機
会もなくなっていくので、反省すべき点を改めて考えさせられるとても有意義な会となりました。
我々視能訓練士ができることは本当に微力で、自分がやっていることが患者様のためになっているのかと常に悩みながらしています。
それでも何らかの御手伝いでできると信じて、これからも邁進していきたいと思います。
当事者 新潟市
私は、最近5年間毎年本研究会に参加させていただいております。毎年研究会のテーマを変え開催してくださいまして楽しみにしています。
今回の研究会で一番興味のあったのは山本先生の講演でした。私自身が網膜色素変性症で病気が進行しほぼ全盲の状態であるためです。これからどうなるのか?、治療法は開発されるのだろうか?、子供・孫に遺伝しないだろうか?などと心配が尽きないからです。出来れば一度で良いから孫の顔を見てみたいなどと常に考えているからです。そんな中で今回の山本先生の講演で私達の病気に効果のあるかもしれない薬が、あとわずかで投薬できるということを知り目の前が明るくなったような気がしてきました。生きる張り合いが出てきたという感じです。もし安藤先生が私にモルモットになってくれと言われればいつでもなろうと思いました。色変の人はみんながそのような気がしたのではないかと思います。病気のある人には、心の楽しみや張り合いのあることが日々の生活に一番大切であると思っています。本当にありがとうございました。
尚、その他の先生方や演者の皆様、研究会に参加の皆さんの色々の意見や発言が大変参考になりました。次回もまた是非参加したいと思いました。
当事者 兵庫県
私は22年前に網膜色素変性症と診断を受けました。当時まだ矯正視力は(1.2)ありました。その後徐々に視野、視力が落ち、7年前に視野で障害者2級となりました。それでも、矯正視力0.6くらいありました。そして、JRPSに入りました。何かするのならその中心に入るのが一番よく判ると思い、平成16年よりスタッフとして活動をしています。この7年間で毎年視力が0,1ずつ下がり、現在は両岸共(0.01)です。だんだん見えづらくなって行く中、拡大読書機や音声パソコン等、便利な道具や、色んな工夫をして、出来なくなった事をまた出来る喜びも感じてきました。
ただ、私はそれを眼科でロービジョンケアとして受けたことはほとんどありません。ほとんどがJRPSの活動の中で色んな会やたくさんの視覚障害者の先輩に教えてもらって自分で手探りでつかんできた、という感があります。ロービジョンケアという言葉を知って、どんな事をしてもらえるんだろう?と4年くらい前に一度受診したことがあります。0,3くらいの視力があったので、ルーペを探していたのですが、使い易いルーペを処方してもらうことはできませんでした。ロービジョンケアの大切さは頭では判っているつもりでしたが、実感として感じていませんでした。視能訓練士さんはいったい何をしてくれるんだろう?そんな気持がありました。
今回、参加させていただき眼科医の先生方や様々な分野の方々の視覚障害者の自立や社会参加に対しての熱い思いを聴かせていただき、もう一度ロービジョンケアをちゃんと受けてみたいと感じました。6年
前に購入した拡大読書機が使いにくくなってきています。私自身の現在の見え方でどんな機種をどのように使えばもっと快適に暮らす事ができるか・・・そして、それが実感出来ればJRPSでも皆さんにロービジョンケアの大切さをお伝えすることができると思います。
ロービジョンケアに対する漠然とした気持がすっきりと見えたような気がしました。ロービジョンケアをサポートしてくださる方々がたくさんいて、不自由を感じている視覚障害者がたくさんいて、その間を繋ぐのは眼科や学校の先生方であり、福祉の窓口であり、そして私達患者団体であると思います。
これからも自分の見え方をあきらめずに明るく元気に生きていきたいと思います。今回、熱い思いをお話してくださった皆様、そして、私につきあってくれた娘に感謝です。
当事者 新潟市
あまりにも 前向きなお話をたくさん聞かせていただいて、どう感想をまとめたら良いのか
わからないまま時がたってしまいました。すばらしい先生方が中身はすごい内容なのに、楽しそうに和気あいあいと……とても充実した時間を過ごさせていただきました。
点字出版所勤務 東京
今回初めて参加させていただきました。時間の関係で前半のみ拝聴し後ろ髪引かれる思いで退席しましたが、小一時間の間に感じたことは、まず、この勉強会は医療・福祉の現場・研究の第一線で働いている先生方、患者さん、支援者、様々な立場の方が一堂に会するため、最先端の医療や研究・福祉の実践などについてホットな話を伺う一方で、それらへの率直な感想や要望なども聞くことのできる、大変有意義で、しかしながらアットホームでとても居心地の良い会だったということです。立場を殊にする方々が率直に話をできることは、「お互いに」様々な発見や深い理解につながりますし、それが明日への力・意欲になりますから。
私個人としては、大学というとどちらかというと机上研究中心というイメージがあるのですが(大学関係の方、失礼な偏見で申し訳ありません)、新潟大学の林先生は先頭をきって地域でのサポートを実践され、ニーズに応じた機器を開発し、それを現場で実用していくという活動をされているとのこと。なるほど、技術はそのように活かしていくものかと、とても驚き、感激しました。林先生のような元気のある先生が近くにおられると、とても心強いことと思います。年々徐々に利用が伸びていると伺いましたが、今後ますます情報の周知徹底を図られ、是非ともニーズを国に認めてもらい確かな財源をもって、最先端機器・技術を応用され安定した支援活動に邁進していただけますよう、願っております。先の心配をしていても明日が開けないとばかり林先生が生き生きと明るくていらっしゃるのも救いですね。私ももっと何かしなければと歯がゆい思いもしました。
千葉大の山本先生はとても分かりやすい言葉で網膜変性治療の最先端の話をしてくださり、とても興味深く拝聴いたしました。学会発表などは専門用語だらけで素人にはさっぱり分からない。その点、今回は不特定多数様々なジャンルの方々の聴講を意識してくださったということで、新薬認可のこと、医療現場の事情なども聴かせていただき、俗っぽい言い方をすれば、とてもお得な感じでした。
「ロービジョンという概念が広がりを持てていない」という東女の小田先生のお話では、幾つかの問題点(どうしたらより意識のバリアも取り除けるかなどといったこと)を整理して挙げてくださいました、これらはとても大事なことだと思いました。
眼科医 栃木県
素晴らしい研究会を、ありがとうございました。
林先生のご講演は、眼科医の立場ではなかなか聞くことのできない内容でした。「知られていないからニーズがない」→「だれもが行く学校と病院で宣伝しよう」という発想と、その行動力に、胸をうたれました。
山本先生のご講演を拝聴して、なかなかうまく説明できない「近未来の治療法」について、患者さんにどのように説明すればよいか、が分かり、聞けてよかった!と心から思いました。
小田先生のご講演では、「ルーペを紹介しているだけではないか」という問いかけに、ハッとしました。ルーペを紹介しているだけでもマシ、と思っていたのですが、正しく使えるように、さらなる努力をするべきだと思いました。
シンポジウムも、どれも、シンポジストの先生の熱意がビシビシ伝わってくる発表ばかりでした。
それにしても、このように、多業種の集う研究会が開けるとは、新潟県の医療福祉は、素晴らしいですね。自分(もしくは家族)が目が不自由になったら、まずは新潟県に移住したい、とさえ思いました。でも、私は、栃木県で働いているので、本当は、自分(もしくは家族)が目が不自由になったら、栃木県に住みたいと思えないとだめですよね(^^ゞ。
急きょ帰りに病院に寄ることになりました。そのため、後片付けをしないで帰ることとなり、申し訳ありませんでした。
当事者 長野県
新潟ロービジョン研究会に参加させていただき有難うございました。私はJRPSに関係しておりまして長野県支部の患者交流会で情報交換しております。済生会新潟の企画が大変参考になり講演された気賀沢先生には早速総会にて講演していただきました。患者のなかにはうつ病の方も多くこれからも精神科の先生のお話を聞きたいと思っています。
男性 新潟市
今回の研究会のテーマが「見えないを見えるに」でしたが、このテーマと講師の方々の話を聴いて、初めて「ロービジョン」または、「ロービジョンケア」に対する概念を良く理解することができました。
今まで、私は「ロービジョン」とはあくまでも医学的に視覚障害に対して改善のための治療を行うことかと漠然と理解していました。
今回のテーマ「見えないを見える」にするには、医学的な根本治療だけでなく、福祉や教育の面も含めて総合的に、視力障害の方々がQOLを持って社会的に自立する事を支援する事、それが「ロービジョン」だと理解できました。今回の講師の方々の話から、医学のみならず、工学(補助具の開発)、心理学(コミュニケーションの取り方)、福祉関係、などの幅広い分野の研究者が視覚障害者の「見えないを見える」にするために努力をしていることが分かりました。また、医学的な治療についても千葉大学山本修一先生の網膜色素変性症の最新の治療についての話が興味深く思いました。この治療の研究も日々進歩しており点眼による改善など、安全な治療法の確立も近いのではと感じました。
これだけの優れた講師の方々が新潟の地に来られ、一般に開かれた研究会を開催された関係者の皆さんに敬意を表する次第です。
視能訓練士 富山県
「障害者が支援機器を活用できる社会に」(林 豊彦)の発表内で、新潟市の調査結果では拡大読書器やスクリーンリーダーといった視覚補助具を知らない障害者の方が80%を超えることを知り、認知度の低さに驚きました。iPadのような新しい製品が教科書を読む補助具としても活用できることが目から鱗でした。 障害者の方の意欲に対する情報提供や技術を活用するための周辺環境の工夫を提供することは、当事者の自立やコミュニケーション能力の向上 に繋がるのだなと思いました。当事者と医師だけでなく、理学療法士や作業療法士、ソーシャルワーカー、言語聴覚士、臨床工学士、製品会社など色々な方との連携が求められる場合もあるとわかりました。
当事者の方に視力や視野などの見え方についてきちんとお伝えすることが大事なのだなと思いました。
自分の見え方を理解することで、自分でできる範囲と周りの人の手を借りたい範囲の区別が可能になることや、新しいニーズの発掘に繋がるのではないかと思いました。
視覚以外の触覚や聴覚などの感覚を利用するという点で歩行訓練時のパンジーのエピソードが印象的でした。残存している視覚を補助具で支援することの他に、他の感覚を活用することも当事者にとって“できる・分かる”物事を増やすポイントの1つなのかなと思いました。
ニーズの発掘するためにも、まず“知らないものを知ってもらう”情報提供を行うことが始点になることが分かりました。その後に具体的な生活のニーズやQOL評価を行い、自分の目の事を知ってもらうことや補装具の選定やニーズに即した情報提供に繋げて、細やかなフォローアップを行うことが大事なのだなと思いました。
大学職員 新潟市
「新潟ロービジョン研究会2010」とても勉強になりました。 ありがとうございました。 いろんなお話が聞けて良かった、だけではなく、今後の仕事に活かせるよう頑張りたいと思います。
小田先生のお話にもありましたが、‘ロービジョン’と言う言葉が社会的に認知度が低い事を知りました。実は私も最近まで知りませんでした。。。。小田先生の講演は、視覚障がいの事をあまり知らない私にもわかりやすく聴く事ができました。後半の当事者、盲学校の先生といろんな立場の方たちのお話も、とても興味深く聴かせていただきました。
また機器展示は、実際手に取り使ってみることができ良かったです。意外に、使い方が難しい事がわかりました。
盲学校教諭 高知県
全体的な感想として地元の当事者をはじめ、全国から140名余の方々が参加されていることに驚くとともに、嬉しく感じました。なぜなら、当然今回の研究会のテーマに関して多くのニーズがあるということはもちろんですが、ここに来られた皆さんが各々の立場でロービジョンの問題に真剣に取り組まれているパワーを感じたからです。このことは夜の研究会(?)においての一人ずつのスピーチにもあらわれていたと思います。
このような会を開催されるということは、何よりも毎月の新潟ロービジョン研究会の地道な努力の成果であり、「継続は力なり」という言葉を実感させられました。
講演・シンポジウムに関してですが、特に各方面で当事者と関わっているシンポジストの方々の言葉に印象に残るものがありました。まず稲垣氏からは相談活動で接している当事者から「〜ならできる」でなく「〜ができない」という言葉が大半だということ。永井さんの地域支援事業での「支援する側は話しすぎない方がいい」ということ。田中先生の「適切な支援」によって「見える=わかる=本人の意識が高まる=自信がつく」という流れができるということ。そして柳澤先生の「本当の自分の見え方を知ることの大切さ」そしてそのためには医師からわかりやすい説明が必要・・・など、決して新しい内容ではありませんが、支援する側で絶えず意識しておかなければならないことが刻まれていたように思います。
私は、日頃教育の立場で視力障害のことを考える機会が多いのですが、「一人ひとりの児童・生徒を大切にする」特別支援教育の中では、教員の認定講習等ですべての先生にこのような内容を聞いてほしいと思いました。また、日常生活の大半を中途視覚障害者と過ごす私にとって、今回のテーマ「『見えない』を『見える』に」ということは、単に視力のことだけでない当事者の心の中の問題であると実感し、そして私は毎日その「心の中の問題」と取り組んでいるのかもしれない・・・と感じました。
特に小田先生の「患者を主体にしたインフォームドコンセントの必要」に対し、吉野先生が「視力表からのものだけでなく、QOLにてらした示唆も必要」とコメントされていましたが、当事者にとって日常生活で「何ができるか」という問題は生きることの意味に通じているのだということを改めて実感しました。
幸いに高知県では十年にわたる活動により、今春はじめて眼科医の勉強会に「福祉・教育領域の内容」を入れていただき、吉野先生をはじめ日常生活訓練指導員や教員が自分たちの職務や支援の内容を説明するという機会をいただきました。今後、新潟ロービジョン研究会のような会が各地で開催されることにより、さまざまな領域の連携がすすみ、より質の高い支援が提供されることは皆の望むことと思います。そのためにもこの会を今後の指針とさせていただきたく、機会あるごとに参加させていただこうと思った次第です。
自営業 新潟県長岡市
私が今回の研究会で最もインパクトがあったと思う演題は、小田さんの「ロービジョンで見えるようになる」でした。
小田さんは講演冒頭「これから話す内容を不快に感じるカタもおられるかも知れません」と前置きして「ロービジョンは流行らない」と現在のロービジョンケアの批判をすることから始め、ロービジョンケアが広く認知され、社会の中で生きた活動となるヒントを提示されました。まとめとして、ロービジョンとは見えない眼をさすのではなく、見えない人を見えるようにすることであり、治療によらないビジョンの改善である。中心となるのは眼鏡やコンタクトの処方と同程度のロービジョン補助具の専門的選定と処方であると結ばれました。
小田さんが指摘されるようにロービジョンという言葉は確かに流行っていないと思いますし、ロービジョン者も認知されていないのは事実です。けれど、それとロービジョンケアの質は関係無いと思います。新潟大学付属病院眼科ロービジョン外来は2ヶ月先まで予約でいっぱいだと聞いています。
私が、この研究会に参加する度に思うことはロービジョンケアの対象者は誰かということです。ロービジョンは残存している視機能にレベルがあり、ADLが困難な重度のカタから、ADLはほぼ問題は無いけれども、就労となると問題ありというレベルのカタまで幅が広く、医学的には量的な数値の違いでしかないことも、生活上の問題はレベルにより全然違う、つまり、同じロービジョンでもレベルによりニーズが違い、文字の読み書きが常にニーズのトップにくるとは限らない。つまり、小田さんが考えるようにルーペや拡大読書機の選定、処方が中心になるロービジョン者は限られるのではないでしょうか。
私は数年前、新潟県主催の「医療と健康福祉懇談会」のメンバーでした。この時に事務方から多くの資料が提示されましたが、この中に身体障害者手帳保持者の年齢別、年度別の内訳を示した表がありました。これによると2005年度で身体障害者手帳保持者の約64.3パーセントが65才以上で増加傾向にありましたから、現在は70パーセント近くになっているものと予測されます。視覚障害についてもまったく同じ傾向があるとはいえませんが、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などが増加傾向にあることから、恐らく同じような数字になると思います。この数字が示すように中途視覚障害者の増加は深刻であると思います。けれど、私は残りの35パーセントの人たちをもっと考えていく必要を感じます。
正確なデータがあるわけではありませんが、1970年代に比べ現在は、視覚に障害があっても地域の学校に通うケースが増えているのではないでしょうか?そういう人たちの中には障害者や盲学校という言葉に抵抗があり、障害者手帳の交付を受けていない人も必ずいると思います。進学や、就職、結婚、人生の大切な時期を「目が悪いこと」にとらわれて過ごしている人に、ロービジョンケアの必要性を唱える人たちの情熱は届いているでしょうか?盲学校には抵抗があるけれど、ロービジョン外来なら抵抗なく相談できるのではないでしょうか?こういったロービジョン者はルーペや拡大読書機よりも別なアプローチが必要になり、面倒なケースになるかも知れません。でも、見捨てて欲しくありません。
視覚障害の前に人間がいます。その人のパーソナリティがあります。彼らは、それぞれにオリジナルな方法で自分の可能性を実現していこうと、ちいさなちいさな努力のつみ重
ねをしています。ロービジョンケアは視覚障害という言葉を可能性という言葉に置き換える力を持っていると信じています。
今回も素晴しいプログラムを用意していただいて有意義な研究会でした。安藤先生、張替先生をはじめ運営スタッフのみなさん、ありがとうございました。暑い中、全国より参加されたみなさん、ご苦労様でした。
大学教授 東京
山本先生の話をおそらく始めて聞いたけれど、カリスマ性があって分かりやすかったし、実質良い仕事をされていることを知って嬉しかった。
山本先生の直後という出番は絶妙でもっともありがたかった。医療の先端とロービジョンサービスの先端のコントラストがつけられた。視覚障害があることが人生の終わりでもなければ、人生を楽しめない理由にもならないという言葉を異口同音に聞いたけれど、科学的データもその通りで、怖れているのは眼科医だけかもしれない(目が見えなければ確かに眼科医は難しい)と思った。林先生たちのIT支援が新潟市から予算をもらって3人という人的資源をつかって地域の在宅サービスができているのは素晴らしいと思った。
この会が、自腹を切って開催している会だということを聞いて驚いた。 懇親会はオークラホテルでのもてなしだけれど、これはさすがに会費をとってもらって参加できるのが嬉しい。
機器展示業者
「業者」という立場、視点から初参加させて頂きまして、深く考える・気づくことがあり、とても勉強になりました。
林先生のアンケート結果の、「約80%の方が『拡大読書器』の存在すら知らない」ということが強いショックを受けました。それまで、私自身、まったく新しい類の機械というわけではなく、すでに20〜30年近く存在している類なので、既に飽和状態のなのではないかと考えていたからです。全国約144万人のロービジョンの方、及び、その御家族などの関係者の方々の隅々にまでPRしきれていない私ども業者の力不足、というくやしい現実を知りました。しかしながらその反面、将来的には読書器などの器械に出会い、喜んで頂けるかもしれないユーザーがまだまだいっぱいいるのだと、もっともっと皆様に知って頂けるよう、頑張らねばと、とても前向きな気持ちにもなれました。
今までは、特定の地域(患者団体が活発な地域や、「〜センター」のように先導する施設がある地域)ばかりでの展示会がほとんどでした。あまり展示会をやらない地域、初めて展示会に来場したユーザー様にもっともっと出会える機会を作りたいと思いました。そのためにも、個々の企業としてではなく、各業者が連携して、そして、業者間だけでなく、医療側、教育側、など各分野の皆様方ともっともっと協力していく必要があると思いました。選ぶのはユーザー様ですが、その選べる土台、『情報が行き渡らない』ということがないようにしていきたいと思いました。
とにかくとても考えさせられる、刺激的な勉強会でした。是非ともまた、参加させて頂きたいです。
ITソフト開発 高知県
過日は、久しぶりに新潟の地で、医療・福祉関係の人々と、お会いすることができ、嬉しく思いました。写真も、皆様いい表情で写っていますね。
新潟大学工学部 教員
貴重な機会を与えていただき、ありがとうございます。ニーズの掘り起こしには時間がかかりますが、地道に努力いたします。近いうちに先生のニーズにもようやく応えられそうです。ぜひご活用ください。
眼科医 福島県
いつも通り、人脈の幅広さがうかがい知れる会でした。福島県ロービジョンネットワークもある意味順調に活動しているのですが、ネットワークとしての真価が問われる時期に来ているのではないか、とすると、まだまだだめ!と思っています。
機器展示業者
実は私、入社して2ヶ月の超若輩者でありながら、今回の勉強会に参加させて頂きました。医療機器の展示会にて、デモや販売などを行った経験はありましたが、視覚障害の支援機器は初めてでしたので、正直かなり緊張して本番に臨みましたが、先生を始め、展示業者の皆さまや参加された皆さまに優しくしていただき、何とか乗り切る事が出来ました。弊社のブースまで辿りつけないという方もいらっしゃったようでしたので、受付にて、弊社の会社案内などをお渡しするように準備しておけばよかったと、反省点が多々挙げられます。もし来年もお招き頂けるようでしたら、今回の反省点を活かして参加させて頂ければと感じました。
講演された皆さまのお話の中では、小田先生のお話も非常に興味深いものでした。私は医学的知識が皆無なのですが、前職では障害者へのカウンセリングや就職支援に携わっていましたので、患者の心理にとても関心があり、小田先生のお話はすんなりと耳に入ってきました。 他の講演内容も勉強になりましたし、懇親会でも全国の皆さまと親睦を深めることが出来、非常に有意義な研究会でした。
今回のテーマ、「『見えない』を『見える』に」、ロービジョンの方に対して、私には何が出来るかと考えました。物理的な治療は出来ませんが、支援機器をご案内したり、またコミュニケーションを深めることによって知識や引き出しを増やしてもらい、心の目で見えるようになって頂くことが出来るかもしれないと。
この世界に入りまだ日が浅いですが、日々是勉強で成長していきたいと思います。
歩行訓練士 京都府
新潟ロービジョン研究会に参加させていただきありがとうございました。これまでも園さんのメーリングリストで報告は拝見しておりましたが、実際に参加させていただいて、他の研究会にはない熱気とレベルの高さを感じて感動いたしました。皆さんのおはなしを一生懸命メモしたのですが、最後に安藤先生がおっしゃった「治る喜びを共有する普通の医者」に対して「治らない悲しみ・痛みを共有するリハビリに関わる医者」という言葉が心に残りました。
私の勤務する施設(京都ライトハウス鳥居寮)では、近年重度の視覚障害と高次脳機能障害を重複された方たちの支援を行うことが増え、わからないことばかりで苦慮しております。少しづつでも高次脳機能障害の方たちの世界を理解し、その悲しみや痛みを、そして出来れば喜びも共有できるように努力していきたいと思います。来年も参加させていただきたいと思っております。
盲学校教諭 新潟市
林先生のご講演では「新潟盲学校はもっとITサポートセンターの機能を活用させていただき、連携をしていく必要がある」と感じさせられました。 山本先生のご講演には驚かされました。たいへんわかりやすい内容であるとともに色素変性症の方々にとってたいへん勇気を感じさせるお話だと思いました。一刻も早く有効な治療法として活用されることを願ってやみません。 小田先生のご講演は独特な語りでついつい引き込まれてしまいました。環境を変えるという発想はたいへん重要な考え方であるとともに、ロービジョンエイドの処方のみならず、その利用訓練こそ必要不可欠であるということを再認識しました。 シンポジウム並びに懇親会では参加者の方々からさまざまな刺激を受けることができました。話すことによって自分の考えを再確認することができましたし、他の方々の意見や実践を聞くと本当に勉強になりました。たいへん楽しく有意義な1日でした。
機器展示業者
先日の新潟ロービジョン研究会では大変お世話になりました。ありがとうございます。私がこう申し上げるのもおこがましいことですが、年々盛会となることは、バトンを受け取り引き渡した一人として非常にうれしく思います。ご準備などいろいろ大変かとは思いますが、今後も継続いただき、益々の発展を願っております。
盲学校教諭 新潟市
今回の研究会で最も印象に残ったのは、新潟大学の林先生の講演です。支援器具の存在を知らない視覚障害者が多いという現実を知り、強いショックを受けました。私は拡大読書器を始め、点字ディスプレイなど、当たり前のように身の回りにあります。そして、その使い方を教え、支援器具を使用させて授業を行っています。支援器具は「使えて当然」という存在です。視覚に障害を持つ方にとって生活の不便さを軽減できるためには支援器具は欠かせないアイテムです。林先生がおっしゃるように、あらゆる方法で情報を発信し、支援器具について知っていただくことが急務です。私たち盲学校も、視覚障害に携わっているのですから、ホームページなどでどんどんお知らせしたいと痛切に感じました。
眼科医 新潟県(東京医大在籍)
ロービジョンの難しさ、楽しさ、認知度の低さなど再認識しました。林先生のご講演は、現場の実状と本音が聞けて興味深かったです。普段、他分野の先生方のお話を聞く機会が少ないので面白かったです。
後半の持ち時間10分トークは、コンパクトに趣旨がまとまっていて、さらに内容も富んでいて、人選は素晴らしい!と感じています。知り合いも増えました。レスキュラはしばらく我慢します。素敵な会をありがとうございました。
ロービジョンは、認知度も低いし、何をしてるのかわからないし、やろうと思っても抵抗感が・・・、という分野ですが、少なくとも医局員にはわかってもらいたいと思います。私たちの取り組みとしては、「瓦版」と称して医局員のメールボックスにロービジョン外来でどんなことをやっているか、何が起きたか、困ったことなど、くだけた感じの文面で配布しています(2か月に1回程度)少しでも興味を持ってくれればいいのですが・・・
千葉県 眼科医
参加された方々の熱意と、これほど多業種の人々が集まることに改めて感服いたしました。
当事者 静岡県
色々な方面からロービジョン、広くとらえて障害を考えるということを聞くことができ、ためになりました。見えないこと、見えること、見えてなくても見ることが出来ること…私も一患者として共感できるものがありました。私個人として、突然やや観点の違う内容の質問をさせていただき、失礼いたしました。 私の言いたい内容は私個人の経験がないと伝わりにくいものですが、時間が限られてると思い、省いてしまい、何だか的外れのようなことになったような…しかし、様々な方とお話をすることができ、有意義な時間が過ごせたことに感謝いたします。
視能訓練士 青森県
今回、はじめてロービジョン研究会に参加させていただいたので、ロービジョンケアに関心のある方々が多いことにびっくりいたしました。青森では、まず考えられないのかなと思います。また、講演の内容としまして、自分自身の未熟さを再認識させられた場となり大変感謝しております。現在、大学に在籍していますが、退職することもありロービジョンケアに介入することがしばらくできなくなります。しかし、今回、講演で力を頂いたので、自分の出来ることを探してみようと思います。
いろんな団体や個人が、交える場所はなかなか無いため貴重な経験となりました。ぜひ、機会があればまた参加させていだたければと思います。
眼科医 埼玉県
様々な立場の皆さんが集まって、夫々の立場からの意見が伺える会としていつも大変勉強させていただいております。しかし、このところ、当事者の方の素朴な感想や質問の数が少々減ってきているのではないでしょうか。眼科医が強く意見を言いすぎるとどうしても他の方が言い出しにくくなるという傾向が、このような集まりにはつきもののように思います。患者さんを中心とした医療・福祉・教育・雇用を考える上で、患者さんの屈託のないご意見が聞ける場という当研究会の長所をなくさないようにご配慮いただきたいと思いました。
機器展示業者
今回の研究会では、林先生の講演の中でのアンケートで視覚障害者支援機器の認知度が非常に低いことや、小田先生の講演で、ロービジョンケアのサービスを受けていない方のQOLの低下で経済的損失がおよそ9兆円あるということが印象に残りました。弊社の機器を含めてロービジョンの方への、特に支援機器の情報提供の大切さを再認識し、普及活動に邁進したいと思います。
当事者 新潟市
私たち視覚障害者にとって、このような貴重な機会を作っていただいたことに対し、心から感謝申し上げます。私は、色変患者で、視野狭窄が進み、中心視力がわずかに残っている弱視の状態です。 今回の支援機器やロービジョンの話は、残っている視力、視野を、上手に使ったり活用して、よりよい日常生活を送るという意味で、非常に参考になりました。また、前進する網膜変性の治療の話は、非常に衝撃的であり、私たち患者に大きな希望を与えてくれるものでした。年々、視野が狭くなり、視力が落ち、将来に対する不安と恐怖は、計り知れません。わらにも縋りたい気持の時に、このような話を聞けたことは、患者にとっては、希望に満ちた夢のような講演でした。進展を期待しています。
当事者 新潟県
多くの勇気を受け取り帰りました。いつかロービジョン研究会イン上越が開催してみたいと夢を抱きました。私は全盲ですので心しか見えません。安藤先生は最後の締で、自己主張を抑制されて、若い医師はまだこんな事を考えなくてよい。今は自分の信じるものを求めて頑張りなさいと、言葉を贈られました。
私は60才ですが、まだまだ自己主張が出過ぎて、いつも妻に叱責されています。まだまだ何かを発見したくてたまらないのです。私よりお若い先生が志を内に秘め、やさしく対応されているお姿に、人の器量の違いを感じました。私には遥かにおよびもつかない先生の器の大きさに感動しました。
残念に思えたのは、障害者から学ぶと言ったニュアンスが感じられませんでした。例えば、特別講演を2テーマに絞るとか時間を短縮するとかして、切り開いた時間を障害者自身が自分の課題を話し、先生方からサジェッションを受けるとか、話を構成するのが苦手なら、先生から質問して頂き、その場で思ったままに回答するとかはどうなんでしょうか。障害者が何とか発言する工夫があっても良いように感じました。多方面から、そして遠くから大勢が、それぞれに思いを込めて出席されているのですから。
眼科医 石川県
当日は林教授、山本教授の二つのみしか聞けませんでした。それぞれについて感想を述べさせて頂きます。
林教授「障がい者が支援機器を活用できる社会に」 CPソフトや携帯ツールなどは教科書的にみますが、ロービジョン外来をしていてなかなか医師及びORTが病院ですすめることができない状況です。
実際に病院で処方するのは遮光眼鏡、拡大鏡がほとんどです。それ以上の補助具を紹介するとなると、やはりネットワークが必要になってくると思われますが、病院側もどのような支援活動を具体的にどこでどう行っているのかなかなか把握できていないのが現状です。講演で支援ネットワークの存在そのものがなかなか知られていないと何度もおっしゃっておられたのが印象的でした。石川、富山でもそのようなところにこちらから行く機会をつくっていかねばならないと思いました。以前、富山の盲学校に見学させてもらったときは大変勉強になりました。
山本教授「前進する網膜変性の治療」 網膜色素変性は、こちらもなかなかどうしようもなく診療しております。自分ができることは特定疾患の申請をする、白内障が進行したら手術する、そのあとは補助具選定、そして身障の評価とそのようなところです。遺伝子治療のような最先端の治療を勉強したり研究したくても医局員は医局がきめたところの勤務地にいくしかない、などと思われます(自分の場合です)。また、勤務医は当直などがあり、他科の患者も診察し、疲労します。あのようなCBSの放送に触発されて専門性を高めていくのがいいのか今のように過ごしてゆくゆくは開業医として余生をおくるのかどちらがいいのかわかりません。レスキュラの神経保護効果のある薬がでるのはいいと思われました。自分としては神経保護薬のdrug deliveryに興味があります。
眼科医 新潟市
山本先生のご講演は、医師も患者さんも期待している網膜色素変性症に対するウノプロストン点眼治療について詳しく知ることが出来てとても有意義でした。
歩行訓練士 長崎県
まず、お集まりになられた方が全国各地からということと、140人を超えたということに驚きました。新潟ロービジョン研究会と言うよりも全国規模のそれと言っても良いのではと思いました。また、お話の内容が興味深いものばかりでしたので、お一人お一人の時間がもっと欲しかったです。この研究会にシンポジストとして参加させて頂き、私は光栄に思いました。緊張の10分間でしたが、有意義で楽しい研究会でした。
視能訓練士 新潟市
今年の新潟ロービジョン研究会も大変良い勉強をさせていただきました。私のリクエストに応えていただき(私だけではないとは思いますが、、)東大の柳澤さんを講師として呼んでくださいましてありがとうございました。若いというだけでなく「できる」という言葉がぴったりです。新潟にも柳澤さんタイプのORTが育つことを期待しているところです。参加された視能訓練士にはよい刺激になったことと思います。山本修一先生の網膜変性の治療には多くの患者さんが励まされ、是非またお聞きしたいというかたもおられます。来年もまた患者さんに希望がもてる講演内容をお願いします。それにしても新潟ではロービジョンケアのすそ野が拡がらないことが、気がかりではありますが、診療報酬化がどう進むか、興味深いです。それによっては視能訓練士の今後の業務内容も大きく変化すると思われます。
機器展示業者
毎回、充実した講演でございますが、今年は随分と中身の濃い講演会だったように思いました。ためになる勉強が出来、演者の先生方には感謝しております。研究会終了後、8月に入りましてロービジョンの補助具(ルーペ)を紹介する機会がありました。 「七月に新潟市で新潟ロービジョン研究会という講演会があり、そこでもこのルーペを展示したんですよ。」とお伝えし、その場でお試しいただきました。とても喜んでいただき、今まで触れたことのない物に感動されていました。補助具(ルーペ)を購入され、「もっと早く出会えればよかった。このような研究会があったなんてもっと早く知らせて欲しかった・・・」など帰り際に病院のスタッフにおっしゃっていました。そこで「新潟ロービジョン研究会2010」での講演の中で、林 豊彦先生のお話を思い出しました。確かに優良な福祉機器を紹介できる機会が増え、福祉支援制度もかなり改善されているいるように思いますが、完全に確立されるまでもう少し時間がかかるのでしょうか?今年のロービジョン研究会の講演で触れられた内容に近しい体験を致しました。
機器展示も今年は一社増え、展示機器もバージョンアップして来場者の方たちにはインフォメーションでき良かったと思っております。また来年が楽しみです。有難うございました。
大学院生 東京
研究会に初めて参加して、見えないと見えるようになる。こころで、五感で感じる事等は、普段の活動では気付かないことを色々と学べました。また、先生方のお話にはいくつもの学びと感動がありました。
特に点眼薬の使用が一般的に使用出来るようになることを願っています。私は、手話通訳活動のなかで、先天性聴覚障害として生活していた人が網膜色素変性症の進行することで、障害を受容することや就労継続したいと願う等、様々なことで苦しんでいました。そんな彼らとともに、学習会や外出行事などを行っています。
今回、永井講師に誘われて初めて参加しました。来年も是非、参加させて頂きたいと思っています。
眼科医 東京
特別講演 林 豊彦 先生 →工学部というと何か機械とか、システムとか物々しい感じのものをイメージしていたのですが、障がい者に対する新しいアプローチを教えられたような気がしました。実際に行動されていることに敬意を表したいのですが、このようなことは普遍的に続けられることが大事だと考えています。
それには普遍的な経済的バックアップが必要と考えますが、その点がどのように解決されているのかが疑問に思いました。ただ、そのような内容はもしかしたら触れてはいけないことなのかとも考え、あえてお聞きできませんでした。
山本 修一 先生 →私にもわかる最新医療のお話でした。きっと患者さんやその家族の方も大満足だったと思います。眼科医としては、点眼薬が網膜病変に有効だということに驚かされました。もちろん、理論的には有効だとは思っていますが、患者さんに「網膜症に効く点眼薬はありませんよ」といつも言い放っている身としては考えさせられました。
小田 浩一 先生 →初めは「反感を買う話になるかもしれない」と前置きされたので、どんなことを言い出すのかと思っていましたが、全く、反感を買うような話ではなく、小田先生ならではの言いたいことをすっきりとスライドにまとめて話すプレゼンテーション方法ともども感心していました。
シンポジウム 「『見えない』を『見える』に」
稲垣 吉彦 様 →同じような話を他でも聞いた気はしますが、実際の話ですので説得力があります。
永井 和子 様 →県の職員としてこのような支援のことをして下さるということは心強い限りです。
東京にもこのような人がいるのかな(私が知らないだけかもしれませんが)と考えさせられました。
田中 宏幸 様 →われわれ眼科医にとって盲学校というものをもっと知っても良いと考えているのですが、それを知る良い機会でした。ただ、盲学校の先生を専門にしているのではなく、一般学校からの転勤で来ている人も多くいると聞いていますので、田中先生のような方だけでもないのかもしれません。特にある児童に漢字検定を受けさせる話は感動的でした。
柳澤 美衣子 様 →少し難しい内容になってしまったようで指導する身として、反省させられました。しかし、ある程度理論的に理解してもらいたいということは伝えられたのではないでしょうか?、
仲泊 聡 様 →一番期待を持って聞く話でした。「まぶしさ」の原因が不明であるということをはっきり言ってもらったので眼科医として逆に安心しました。全盲の人でもまぶしさを感じるという話を聞いていたので、その人に遮光眼鏡は有効かと質問させていただき、「有効かもしれない」とのこたえをいただいたのは、意外でもあり、納得させられるものでいsた。その後の説明で全盲というのが視力、視野だけで規定されているものですから、もしかしたら遮光眼鏡が有効だというのも理解させられるものでした。
以上が、ロービジョン研究会の感想です。ちなみに懇親会の感想ですが、昨年よりも会場でフリートーキングが楽しめ、とてもよかったように思えました。ただ、ホテルオークラのような一流ホテルでやらなくても、もう少し三流ホテルもしくはレストランでもよいのではないかと思いました。
機器展示業者 当事者 東京都
支援機器のコンサルを行い、実際に販売・サポートを行っている立場として、支援機器の開発にも携わり、現場でのサポートも行っている林先生のご講演に大変共感を覚えました。 また、まぶしさを感じている視覚障害当事者として、仲泊先生のご講演を通して、 まぶしさを感じる患者の共通点として、視神経乳頭が比較的きれいな状態であるということに興味を持つとともに、もしかしたら全盲者であってもまぶしさを感じるかも知れないということに、新鮮な驚きを感じました。
今回も幅広い分野の先生方から、幅広いお話を聴くことができて大変勉強になりました。
これで2010新潟ロービジョン研究会の報告のページを終わります。
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