行ってきました!宮廷女官チャングムの誓い展覧会
コメント:燕市 おうめちゃん 2006年 9月
去る9月22日(火」に、新潟三越で開催された「宮廷女官チャングムの誓い」の展覧会に行ってきました。メンバーはおうめちゃん、ハートッチさん、あきちゃんの3人です。以前に「人体の不思議展」でのおなじみの「ガラスにへばりついての見学隊」の3人です。
今回の展覧会はNHKのどらまでおなじみの「宮廷女官チャングムの誓い」で使用された衣装や大道具、小道具を展示し、ドラマの中でのセットを再現し展示した物です。
「チャングム」にどっぷりとはまっているおうめちゃんには、よだれがでるほどの企画でした。
その日はハートッチさんと三越のライオンのところで待ち合わせ。途中の売り場は飛ばしてサッサっと7回の催し場へまっしぐらです。会場に近づくとドラマが始まるときの音が聞こえてきて、もうそわそわです。この音楽が聞こえてくると「TVの前に行かなくちゃ」と言う気持ちになります。入場する前に壁にチャングムを取り巻く主な登場人物のパネルがありました。写真だけでなくせりふの一言が添えてあり、あきちゃんが全部読んでくれました。「このせりふがありましたね」と思い出すせりふでした。
チャングムの中のせりふには心打たれるものがよく出て来ます。甘く優しい言葉はほとんどなく、仕事や生活、生きていく上で気持ちにドカンと乗ってくるような辛口の言葉が多いです。
ハンサングン様が理想の上司とのアンケートの結果があったそうです。おうめちゃんもハンサングン様のような上司がいたら、もっと働いていただろうなぁ。
入場料は大人600円ですが、「身体障害者手帳をお持ちの方は無料でございます」でした。手帳をお持ちの皆様、出かけるときには忘れずに!手帳は持ち歩きましょう!
スタッフのお嬢様がたは、皆さん女官が仕事のときに着ているエプロンをつけているとあきちゃんに言われたので、おうめちゃん:「展示物はさわれないんですよね?」。
スタッフA:「申し訳ありません。さわれないんです」。
おうめちゃん:「じゃぁ、その着ているエプロンを触らせてください!」。
スタッフB:「このエプロンは出口の売店で販売しておりますので、そちらでどうぞ」。
とやんわり断られました。エヘヘとおうめちゃんは照れ笑い。
これから展示物の説明をしますが、順番が前後したらごめんなさい。1番初めはチャングム衣装で、子供時代、女官時代、医女時代(医女のトップに立ったときの物)の3点が展示されていました。女官と医女の衣装は実際にチャンブム役のイ・ヨンジュさんが着たものです。形は現代のチマチョゴリと変わらないようでしたが、素材や雰囲気は大分違うように感じました。子供時代は庶民でもペクチョンと言う下の身分でしたので、木綿の素材。ハートッチさんが「いかにも木綿と言う感じね」と言ってましたし、履物が「わらじのようなサンダル」と表現していました。
女官時代になると打って変わって、素材はいかにも「絹」。ただ画面を見ることが出来るあきちゃんとハートッチさんにも気がつかなかったのが、布の織りに文様があったことでした。和服でも礼装などにあるような丸い吉祥柄のようなものらしいです。ちょっとした光の当たり具合でも見えたり見えなかったりのようです。
医女時代の衣装はさらに刺繍や箔などがほどこされてたようです。これらの細かい細工は残念ながら画面では見えにくいようです。そのためか、現物のほうがりっぱな衣装に見えたようです。きっと撮影現場の方が画面で見る以上に華やかで豪華な雰囲気があったのでしょうね。それと私が以前に見たチマチョゴリは晴れ着を着ていたようで、もっとふわふわしていたように記憶しています。それに比べて絹素材だといっても女官の服はやはり仕事をしている日常着だから、チマなどはスッキリしたデザインでプリーツなどが入っているようです。
3人で不思議だよね?と思っていたのが靴下のこと。正式な名前がわかりませんので、靴下とします。布で出来、足の部分はピッタリしているのにそこから上はブカブカなのだそうだ。ドラマでチャングムがその中に日誌を隠したくらいだから、ブカブカ度がわかるというものだ。しかし下がって来ないのだそうだ。どうやって止めているのだろうと、3人でその衣装の前でちょっと考えていました。ゴムで止めているわけではないし、あの時にゴムはないでしょう?そっくタッチで止めてるわけでもなし、足袋のようにこはぜでも付いているのかしら??結局わかりません。チマの裾をめくればいいけど展示物に触れられないのだから仕方ない。誰か知っている方がいたら教えてください。疑問を持ちながら次に移動しました。
次は王族の衣です。皇太后と皇后の衣装と家具調度類を展示。部屋のセットを組んでいました。王族の女性のチョゴリは丈が長く、胸に5本指の竜の刺繍が施されており、屏風の絵柄は牡丹や川など華やかな模様で、目を見張ったのは、ろうそくの太さと美しさです。飾台には蝶の飾りが付き、ろうそくには絵が描かれ、贅沢なものでしょう。
この丈の長いチョゴリで思い出したのが、高松塚古墳の壁画に描かれている女子群像の衣装である。彼女達も丈の長い上着で左前で右側で紐のようなもので結んでいたように記憶しています。そしてプリーツなのか色の切り替えのある丈の長いスカートを履いていました。飛鳥・奈良時代の身分の高い女性達はきっとこのドラマのような生活をしていたんだろうなぁと考えました。
王の衣装は即位式に着用するもので、ドラマのなかではタイトルの時に来ているものかもしれないとのこと。普段には着ていないものです。かなり贅沢に手の込んだもののようです。説明を聞いているうちに、世界史の本、中国史のところで「秦の始皇帝像」として紹介されていたのを思い出しました。日本史でも奈良時代の天皇像などと同じような衣装で描かれていますね。冠は長方形の帷板のようなものを前後に長く出し、その板の前後から玉すだれのようなものが下がり、服の両脇のスリットのところには真珠のようなもので作られたものが何連にも垂れ下がっている豪華なものです。現代の日本でも晴れ着となれば良い素材で手の込んだものを着ますからね。
次は料理対決の時の料理の展示です。
ここでは料理の基本の考え方の説明がありました。
東洋医学を知っている方ならご存知のことですが、「医食同源」「五味」「五色」が基本だそうです。
「医食同源」は、すでに広く知れわたっている言葉ですね。
「五色」は、青・赤・黄・白・黒で食材の色。
「五味」は、酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の五つの味です。
これは食事のバランスを考えるのに今の私達の食事にも使える考え方ですよ。お試しあれ!
料理のサンプルはこのために本職の方が作ったものから形を取り、製作したものだそうです。ケースに展示され、その上にその料理が出された場面とせりふが展示され、その場面を回想されるようになっていました。私はドラマでも小説でも、見る以上には解説がありませんので、ここでそのサンプルの説明をあきちゃんにしてもらうことで、あの料理対決の場面がいかに美味しそうであったかが実感できました。せりふだけですと場面の緊張感は伝わってきましたが、美味しさは半分くらいしか伝わらなかったようです。
料理はおかゆに始まりお菓子で終わり。1品1品の説明は割愛いたします。でもひとつだけ。チャンブムが直接ご飯を小さいお釜で出しましたが、これは大変無礼なことらしかったのですが、暖かくご飯を召上がっていただきたいので工夫をしたとのことでした。ここでの解説。これは今で言う「石焼ビビンバ」とのこと。ただしこの時代(16世紀)にはビビンバはまだなかったとのこと。製作スタッフが作ったフィクションだそうでした。おうめちゃんとあきちゃんはここでニンマリでした。
次は女官についてのコーナーです。生活や服装などでした。おうめちゃんが常々理解できなかったのが髪型!身分が高くなるほど頭を高く大きく飾り立てているようなのですが、それの表現方法が人それぞれで。黒柳徹子さんとか塩沢ときさんとか、三つ編みをぐるぐる巻き上げているとか、とにかく大げさなくらいだなぁとは思いました。
子供時代は後ろに三つ編みで背中にたらしリボンを結んでいる。娘時代から一般の女官はその長くなった三つ編みを二つ折りか三つ折りにしてリボンで結び留める。それ以上になると三つ編みを結い上げて付け髪をかぶるようになる。
これが重そうだ。撮影で使用した側室の付け髪でも3キロあったそうだから、皇后などは何キロあったのだろうか?女優さんも大変である。
服装も一般の女官までだと丈の短いチョゴリだが、サングン(5位以上の女官)になると、前述した高松塚古墳の絵のような丈の長い上着になるらしい。そして女官は処女でなければならず、王様の王の世話をするためにいるので婚姻は許されない。
ドラマの中で養い親のカントックの奥さんが、チャングムが「女官になりたい)と言ったとき「女官になったら嫁にも行けないんだよ!」と半ば怒ったように言ったのが印象的でしたっけ。
次は宮中の医療機関。医女になったチャングムが勤めたところ。医女制度について。
医官、医女の服装、ネイオン(宮中の医療機関」のセットなどがありました。
医官(男性)の服装は、日本の奈良時代の官吏の服装に似ていると思います。生地に文様がありりっぱな服装ですね。医女の服装で特徴的なのは被り物をしていることでしょう。前から見ると四角形で後ろに布がたれている形のようです。看護婦帽みたいだなぁと思ったのですが、当時の芸者(キーセン)も〃被り物をしていたそうです。
そして今では考えられないことですが、人の看護に当たる仕事は卑しいこととされたので、医女になるのは「奴婢」と呼ばれる身分の女性の中から選抜されたそうです。
たしか看護婦の仕事を高めたナイチンゲールの子供時代でも、看護の仕事は両家の子女のすることではないと言われていたそうですから・・。
医療機関のセットに近づくと、薬くさい?薬剤室のようで、引き出しのたくさんある家具や天井からたくさんの植物がぶら下がっていたり、薬の名前を書いた袋がぶら下がっていたりしているようでした。床には長方形で仕切りがついた入れ物に薬草が入っていたり、薬を引くための道具や匙(医者の匙加減はここから来たらしい)。さらに進むと「鍼」の練習をしているような場面で、刺鍼する場所を書いている本や、練習用の寝台らしいものがあったり、展示の1番手前に鍼のさまざまな種類が並べられていました。今おうめちゃんが知っている鍼に比べて、細いものでも随分太いと思いました。ケースには主な薬草と名前、効能などが展示されていました。
最後はスラッカン(王の食事を作るところ)と王の部屋のセットがありました。
スラッカンはカマドや食器類が置いてありましたから、煮炊き専用の部屋のセットだと思います。あきちゃんに「水場はありませんよね?」「そうね、切ったりしても洗うところがないわね」。現代の台所は1箇所にコンパクトにまとまっているけれど、この時代は水周りと火を使う場所は別になっているようですから、動線を考えるとあまり合理的ではないのかな?そう言えば昔の日本の台所も井戸は別でしたねぇ。カマドは黒いレンガを積み重ねたような作りだそうです。
王の部屋は食事をしているセットでした。ここでも目を見張ったのは屏風でした。お日様とお月さま。それに五つの風景を描いたものです。
王の生活は「陰陽五行論」でおこなわれているので、屏風の絵柄も沿うものですね。料理の皿の数も決まっているようで、あきちゃんが展示されている皿の数を数えていましたが、何枚だったか忘れちゃいました。
他にチャングムのお母さんが使った包丁や、親友がチャングムのためにメモした手帳など、どらまの中で使われた小物なども展示されていました。
出口の売店でエプロンを見て、いいなぁと思ったけど高いのでやめました。形だけをおうめちゃんの頭にインプットして。
これらの見学の所要時間は3時間。今回もあきちゃんに説明文を読んでもらい、おうめちゃんのしつこい質問にも答えてもらいました。あきちゃん、お疲れ様でした。
見に行ったおかげで、その週からドラマの中のイメージがよりはっきりして、画面が大きくなったように感じました。楽しさが何倍にも膨らみました。今回もよきガイドヘルパーに出会ったことと、行きたいと思ったら何とか計画を立てて行くべきと思い、また恵まれたチャンスを与えてくれた人々に感謝いたします。
ここまで長い報告書におつきあい下さりありがとうございます。次は皆様の報告書をお待ちしております。
これで、おうめちゃんの「宮廷女官チャングムの誓い」展覧会リポートのページを終わります。
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